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親元から離れることのメリット

執筆者の写真: Teppei TakanoTeppei Takano


前回お伝えしたように、ワカタケのサッカースクールには海外からコーチを呼んでいます。そのどんなコーチが来ても、日本の子どもたちは「喋らない」と言います。話さない、話せないということはコミュニケーションが取れないということ。コミュニケーションが取れないとサッカーでは勝てません。


日本は同調圧力が強く、同調行動がよいとされる国です。それは、日本の教育のよい面でもあって、団体で行動するときは確かにきちんと話を聞くし、まとまりもあって、そういう面ではよいのですが、一方、個性がなくなったりとか、主張ができなかったりといったマイナス面もあります。たとえば、自分がいたアルゼンチンは、みんな自己主張がすごく強く、喧嘩もします。まとまりはあまりなかったですが、そういったことがサッカーのグラウンドでは必要になってくる場合もあります。


だから、結局ピッチ上でサッカーをいくら頑張っても、その前に文化や教育を変えていかないと、世界での競争に勝つことは難しい。日本に住んでいると、親御さんが近くにいるので子どもはレールを外れにくい環境にあります。レールから外れると怒られるし、戻されます。だから、子どもたちの個性が見えにくく本質が表に出にくいというのがあります。


結果的に“いい子”を掘り下げてみると、「お父さん、お母さん、先生に怒られたくない」に辿り着く子が大勢います。


日本から出るメリットの部分は、親御さんと離れられること。たくさんのお子さんを見てきましたが、親の目の届かないところへ行くと、人間性がモロに現れます。自分でやらなくてはいけない部分も多く、ましてや言葉も文化も違う国で、大変なことも多いですが、子どもは自分自身で気づいてこそ成長します。


元スペイン代表で、レアル・マドリードでも活躍したミッチェル・サルガドは、2013年からの付き合いで、ワカタケのレジェンドクリニック等で指導してもらっていますが、彼が口にするのは「リアルがない」ということ。練習をするとき、常にゲームを想定し、自分で考え理解しないといけません。与えられたことを自分で考えてやらないから、「リアルがない」という指摘に繋がるのでしょう。今まで何も考えずに、当たり前にやっていたことに対しても常に疑問を持つことが大事です。





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